いよいよ果樹農家の一年を締めくくるフジりんごの収穫を開始した。今年は夏に一週間ほど休んだだけで、正月早々に始まったドカ雪以来、ほとんど休みらしい休みは無いまま今日に至った。日本から百姓がいなくなるのも当然だろう。子供の休みだというのにどこにも連れて行ってやらない親は、やっぱりニッポンの標準的家庭からすると失格なのだろう、とつくづく思う今日この頃。BUT、土日になると畑の脇を通る国道をゾロゾロとマイカーが行列していくのを見ると、勤め人も休日は車に乗るしか能がないんだなあ、大型量販店に「暇つぶし」に行くしかないのかしらん。もっと何かましな人生があるんじゃなかろうか、と哀れにも感じてしまう。しかし、これがニッポンの"シアワセ"な姿でもあるのかな。畑をぶち抜いてこの国道が開通して以来、車の騒音は年々ひどくなってきた。シアワセと経済発展はとてもウルサイものだ。10年くらい前までは鳥の声くらいしか聞こえない地域だったのだが・・・。
これもアメリカによるグローバリゼーションの波及効果だな。規制緩和という美名で政府が進めてきた大規模小売店出店規制の解除がもたらした「郊外型商業・レジャー施設」の環境破壊効果、と市街地中心商店街空洞化の具体的現実だ。道路建設という公共事業の大盤振る舞いは、自動車産業で食っているニッポンの宿命でもあるのは分かるが。用地買収で農家にアブク銭をくらわして田畑をつぶし、道路作って土建業界を潤し、排気量の大きい車をどんどこ突っ走らせてみんなに新車を買わせ、量販店で昔ながらの零細小売店をつぶし、何もかもぶち壊して流動化することが世の中の発展だと・・・。そこのけそこのけ車が通る。車のデザインの流行を見ると、日本人の心のありようがよく見える。曰く、自己中。じゃまだ、どけ、と近頃の車は言っている。
いいじゃないのシアワセならば。これが世界第二の経済大国。現在の自民党政権は完全に都市型政権にシフトした。小泉政権の閣僚と自民党執行部の顔ぶれを見れば、この人たちの生まれ育ちからして田舎ではなく都会の坊ちゃん嬢ちゃん政権であるのがよく分かる。米百俵どころか米一俵もいらない。米食えなくて飢える人は日本にいない。米がなければお菓子を食べればいいじゃない。日本人の総マリー・アントワネット化。昔は米百俵が食べさせてもらえなくて飢え死にした貧乏人もいただろうに。以下、考えるのめんどくさくなったので終わり。